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薬師寺 蛇祭り(盆綱)

盆綱は、茨城・千葉両県にわたって広く分布する盆行事の一つで、子どもたちが藁綱を引いたり、担いだりしながら先祖の霊を送迎する習俗です。
2015年3月には「東関東の盆綱」として、記録作成などが必要な国の無形民俗文化財として選ばれました。

しかし、近年では担い手となる子どもの減少で、執り行われなくなっており、牛久市でも盆綱行事が残っているのは薬師寺の蛇祭りのみとなっています。

毎年8月13日に行われる蛇祭りでは、
子供たちは花紙で作った花飾りをつけ、はちまきをし、総代(※檀家の代表者)を先頭に蛇を持って歩きます。

この蛇祭りでは新盆の精霊(ショウリョウ※仏教にて死者の霊魂の意)を
「のーらっせ のーらっせ 仏様 のーらっせ」と繰り返し唱えて、蛇の背に乗せ、
「おんじゃった おんじゃった 仏様 おんじゃった」と唱えながら歩いて、
「仏様 渡しますよ」と一軒ずつ送り届けて廻ります。

薬師寺では盆行事として盆綱を継続していくため、
入手が難しくなった藁やチガヤではなく、布で作られた龍を使用し、宗教の枠に囚われず、広く地域の子供たちにも参加してもらうなどの工夫することで、今も盛大に執り行われています。

<出演>
田宮山 瑠璃光院 薬師寺 住職 市川 慈寛